桜田義隆五輪担当相は4月10日、東京都内で開かれた自民党の高橋比奈子衆院議員の(比例代表東北ブロック)パーティーであいさつした際に、「(東日本大震災からの)復興以上に大事なのは高橋さん」と述べました。
桜田前大臣は就任時、大臣としての資質が問われかねない失言や言い間違い、振る舞いが多々あり、その度にメディアでも取り上げられ、物議を醸しました。
今回の大臣辞任は、今までの不祥事や失言に加え東日本大震災に関する失言が決定的となり、辞任に繋がったようです。
安倍晋三首相は、この問題に対し記者団に対して、「任命責任は私にある。国民の皆様におわび申し上げる。」と述べました。
東北地方では、4月10日に福島県の第一原発の立地する大熊町にて避難指示解除が出されるなど、課題はありながらも少しずつ前へ進もうとしている最中のこの発言。
憤りと呆れを通り越して、言葉が出てきませんね…
これまでの桜田前大臣の失言と、被災地の人々の今回の大臣の発言への声、後任となった鈴木俊一氏はどんな人なのか?まとめていきます。
桜田大臣の震災に関する数々の失言まとめ
まず、桜田前大臣のプロフィールはこちらです。
氏名:桜田義考(さくらだよしたか) 生年月日:12月20日(69歳) 出生地:千葉県東葛飾郡田中村 出身校:明治大学 前職:国務大臣(東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当) 所属政党:民主党 |
桜田前大臣の震災に関する不祥事・失言をまとめていきます。
不祥事▽
2013年5月、福島第一原子力発電事故で発生した指定廃棄物の処理について「原発事故で住めなくなった福島の東京電力の施設に置けばいい」と発言。
本人は発言について「福島県全体を指したのではない。」としたものの、指定廃棄物は発生した都道府県が処理することが国の方針となっていることもあり、双葉郡の首長や住民、福島県知事の佐藤雄平氏や自民党福島県連から批判されました。
失言▽
・2019年3月24日、千葉県柏市での集会に参加した際に、東日本大震災について「国道や東北自動車道が健全に動いたからよかった。
首都直下型地震が来たら交通渋滞で人や物資の移動が妨げられる」と発言。
翌日の予算委員会で事実誤認であることを認め、撤回。
・2019年4月9日、宮城県石巻市で行われた東京五輪・パラリンピック関連のイベントを欠席したことについて、質疑を受けた際に
「石巻市(いしのまきし)」を「いしまきし」と3度間違える。
答弁後に、謝罪。
・2019年4月10日、東京都内で開かれた自民党の高橋比奈子衆院議員の(比例代表東北ブロック)パーティーであいさつした際に、「(東日本大震災からの)復興以上に大事なのは高橋さんなので、よろしくどうぞお願いします」震災を軽視する発言。
・記者団から「復興以上に議員が大事」の発言の真意は?と聞かれると
⇒「そんなこと言ってない。記憶にない。」と返答。
まず、自分が本当に震災に関心があれば、被災地の地名を間違えるでしょうか?
そして、数分前に自分が発言した内容を簡単に忘れるでしょうか?
また、桜田前大臣は過去に自身のtwitterで、こんな発言もしています。
東日本大震災から8年。あの日の衝撃は今でも忘れることができません。犠牲者の御霊に対して衷心より哀悼の誠を捧げます。
— 自民党 桜田義孝事務所 (@ysakurada) March 11, 2019
これまでの発言もそうですが、今回の辞任のきっかけとなった「被災地の人々を傷つける」話や、震災からの復興を心から想っているのであれば、被災地の復興を軽視するような発言は出てこないと思います。
このtwitterの内容と今回の事態に矛盾が生じているように見えてしまうのは、どうしてでしょうか。
今回の桜田大臣の発言を受けて世間の声は
被災地の人々も今回の発言を受けて、憤りや失望を感じています。
復興五輪という位置づけなので、このような発言は本当に残念。
楢葉町・松本幸英町長
今も復興途上。苦しんでいる人は多い。辞任すればいいという考えも困る。
岩手県男性
被災地への理解が足りず、ふさわしくないと思っていた。責任を取って辞めるのは当然だが、ころころと人が変わるのもおかしい。
宮城県男性
「政治家に向いているのかな。復興五輪がこんな形で話題になり残念」
石巻市体育協会・伊藤和男会長
など、様々な声が上がっています。
そこに共通している思いは、「悲しみ」と「憤り」です。
被災地の現状を本当に知っていたのか?関心があったのか?
疑問が残ります。
桜田前大臣の後任鈴木俊一氏について
桜田前大臣の退任を受けて、後任に選ばれたのは自由民主党所属の現衆議院議員である鈴木俊一氏です。
以前は、国務大臣(東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当)や環境大臣等も務め、東日本大震災復興特別委員長も務めたことがある方です。
自身のホームページには「復興は私の使命」という表記や、被災地である岩手県宮古市を訪れた際の記録が残っています。
プロフィール▽
氏名:鈴木俊一(すずきしゅんいち) 生年月日:4月13日(65歳) 出生地:東京都 出身校:早稲田大学教育学部 前職:衆議院議員秘書 全国漁業協同組合連合会職員 所属政党:自由民主党 |
今後の活動を、見守っていきたいと思います。
まとめ
今回は、今回の桜田前大臣の不祥事や失言をまとめました。
これ以外にも、桜田前大臣は競泳の池江璃花子選手の白血病公表に際し、「がっかりしている。」と発言して批判を浴びたことも。
今回の発言は被災地の人々の気持ちを逆なでするような、あまりにも「思いやり」のないものでした。
発言の責任の重さを、ひしひしと感じてほしいと思います。
五輪担当となった後任の鈴木俊一さんの今後の活動にも、注目していきたいと思います。